私たちは飛騨高山で60年以上、国産家具を売り続けてきた専門店です。日々お客様に「このメーカーは、なぜいいのか」を説明する立場として、カタログや展示会の情報だけで語るのは、どこか無責任だと思っていました。
だから、今回は行ってきました。ナガノインテリアの工場へ。
福岡県朝倉市。この日は営業担当の方と工場長が出迎えてくださり、さらにサプライズで永野社長まで同席。見学の最初から最後まで、社長がずっと一緒に回ってくださるという、思いがけない歓迎を受けました。この記事は、その日に見て・聞いて・肌で感じたことを、売り手の視点からそのままお伝えするレポートです。

ナガノインテリアとは|「ないものは自ら作る」から始まった会社
まず最初に、営業担当の方から会社の歴史と想いを伺いました。
ナガノインテリアの創業は1946年。福岡県朝倉市の甘木という土地で生まれました。家具の産地として有名な大川が比較的近いものの、創業当時の甘木には頼れる同業者が身近にいなかったといいます。そこで創業者が掲げたのが「ないものは、自ら作る」という姿勢でした。
この考え方が、今のナガノインテリアの背骨になっています。木材の調達から加工、仕上げまでを国内の自社工場で一貫して行う体制。デザイン的には現社長になって、この20年ほどの大きく変わりましたが、根底に流れる想いは変わらないものがありました。

最初に聞いた「会社が大事にしていること」= Think Basic
ナガノインテリアのデザインコンセプトは「Think Basic」。担当の方の説明で、この言葉の意味がようやく立体的に理解できました。
ナガノインテリアの家具は、お客様の手に渡ってはじめて完成すると考えられています。サイズも、張り地も、木の樹種も仕上げも、つくり手がすべて決めてしまうのではなく、使い手が選んで関われる「余白」をあえて残しておく。だからこそ、家具そのものは、どこまでもシンプル=Basicでありたい。とことんBasicだからこそ、その人だけの特別な一脚になる――という考え方です。
そして、ナガノインテリアといえば何といってもセミオーダーのバリエーションの多さです。サイズはもちろん、樹種、脚のデザイン、天板の形、張り地まで――その選択肢の幅は、数ある国産メーカーの中でも群を抜いています。
担当の方が話してくれた言葉が印象的でした。「お客様や販売店さんの期待に、できる限り応えられる家具メーカーでありたい」。この姿勢こそが、Think Basic=使い手が自由に関われる「余白」を、実際の選択肢の多さとして形にしているのだと感じました。「家具を部屋に合わせる」という発想を、コンセプトで終わらせず仕組みにしている会社です。

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工場長の案内で見えた、ものづくりの現場
歴史と想いを聞いたあとは、いよいよ工場長の案内で工場の中へ。インカムマイクを付けて、各工程を順番に見せていただきました。
正直に言って、まず驚いたのは工場がとてもきれいだったこと。木工の工場というと、粉じんと木くずにまみれた油っぽい現場を想像する方もいるかもしれませんが、まったく違いました。整理整頓が行き届き、動線や物を置く場所がはっきりしている。
そして社員が若くて、元気。挨拶の声や雰囲気に活気がありました。これは家具づくりの未来を担う人がきちんと育っている証拠で、長く付き合えるメーカーかどうかを見るうえで、私たちが密かに重視しているポイントです。
印象に残ったのが、無垢材を無駄にしない仕組みです。天然の木は一本一本、色味も節も割れ方も違います。ナガノインテリアでは、その木の表情を人の目で見極めて使い分け、できる限り無駄を出さない。木という限りある資源を扱うメーカーとしての、誠実な姿勢が現場のあちこちに見えました。

ここで思い出したのが、ナガノインテリアが大切にしている「機械半分、人半分」という考え方です。木の色味や節、割れを見極める判断は人の手で。材料を正確に切り出す作業は機械で。この役割分担が、現場を歩くとそのまま目に見える形で理解できました。
そしてもうひとつ、売り手として最も感心したのが、品質が一定に保たれる仕組みでした。家具づくりというと「熟練の職人技」が語られがちですが、ナガノインテリアはそこに頼り切ってはいませんでした。たとえば木取り(無垢材のどこを、どう切り出して使うか)には明確な基準が定められていて、誰が担当しても品質が大きくブレないように設計されている。もちろん職人の技は確かにある。でも、その技を“仕組み”に落とし込んでいるからこそ、注文した家具が安定した品質で届くのです。これは、長く付き合うほど効いてくる安心材料だと感じました。
夕方でも止まらない工場|人気を肌で感じた
もうひとつ驚いたことがあります。
私たちが見学したのは夕方でした。普通、工場見学というと日中のフル稼働の時間に行くものですが、夕方にもかかわらず工場はかなりの稼働率で動き続けていたのです。

これはつまり、それだけ注文が入っているということ。ナガノインテリアは受注生産が基本ですから、稼働しているということは、全国から「この家具がほしい」という声が絶えず届いている証拠です。数字や評判ではなく、稼働している現場の音と熱気で人気の高さを実感した瞬間でした。
社長が「品質責任者」だった話
この日いちばん心に残ったのは、社長の存在です。
社長は見学の最初から最後まで、ずっと私たちを引率してくださいました。そして名刺を交換して、そしてお話を聞いて分かったのが、社長が品質責任者を兼任しているということ。
正直、こういう肩書きは「名ばかり」のことも少なくありません。ですがナガノインテリアの社長は違いました。実際にかなり現場に入り込み、自社の家具の品質に責任を持って目を光らせている。トップが工場の床に立って品質を見ている会社の家具は、やはり信頼できます。質疑応答のときも「この数年でさらに納品する商品の質、検品のレベルは上がったと自負しています」と自信をもって答えてくださいました。
つくり手の顔が見える、というのはよく聞く言葉ですが、「責任者の顔が見える」メーカーというのは、案外少ないものです。

デザイン・使いやすさ・買いやすい価格を“両立”できる理由
国産家具と聞くと、「品質はいいけれど高い」というイメージを持つ方が多いと思います。
でもナガノインテリアの工場を歩いて感じたのは、この会社がデザイン性・使いやすさ・買いやすい価格の3つを、きちんと両立させようとしているということでした。そしてそれは、精神論ではなく「効率よく作れる仕組み」に裏打ちされていました。
- 木の見極めなど、人にしかできない部分は人が担う
- 正確さとスピードが要る部分は機械が担う
- 自社一貫生産だから、調達から仕上げまでムダな中間コストが乗らない
- 無垢材を無駄にしない仕組みで、限りある資源を価格にも還元する
この積み重ねが、「いいものを、買いやすい価格で」を可能にしています。私たちが冒頭で挙げた「Think Basic」――とことんBasicであること――は、デザインの話だけではなく、こうした健全なものづくりの仕組みそのものを指しているのだと、現場を見て確信しました。
質問にとことん付き合ってくれた|ショールームと、夜の懇親会で
工場見学が終わっても、ナガノインテリアの“誠実さ”は続きました。
ショールームでは、社長と工場長、さらに各現場の責任者まで同席してくださり、私たちの細かい質問の一つひとつに、丁寧に答えてくれました。つくる人・管理する人が直接出てきて、言葉を尽くして説明してくれる――これは、自分たちの家具に自信がなければできないことです。
この日は朝倉市に一泊し、夜は担当者と永野社長との懇親会へ。お酒の席でも、話題はやっぱり家具のこと。永野社長が家具づくりにかけるアツい想いを、たっぷりと聞かせていただきました。会社の規模や数字だけでは見えてこない、「家具が本当に好きな人たちが作っている会社なんだ」ということが、いちばん伝わってきた時間でした。
工場見学を終えて
工場見学を終えて、売り手としての私たちの評価を率直に書きます。
ナガノインテリアは、「Think Basic」というコンセプトを、現場でちゃんと実践できている数少ないメーカーです。豊富なセミオーダーで使い手の希望に応える懐の深さ、職人技を仕組みに落とし込んで品質を一定に保つ堅実さ、無垢材を無駄にしない誠実なものづくり、そして社長自らが現場で品質を見る体制。そのどれもが、カタログの言葉ではなく、工場の中に実物として存在していました。
「ナガノインテリアって、実際どうなの?」と迷っている方がいたら、私たちは自信を持ってお答えできます。派手さはないけれど、長く付き合うほど良さが分かる家具です。私たちもこの目で見てきたからこそ、これからも安心しておすすめしていきます。

ナガノインテリアについてよくあるご質問
- ナガノインテリアの家具はどこで買えますか?
- 全国の正規販売店、および直営店で購入できます。当店でもお取り扱いがあり、サイズや張り地のご相談を承っています。
- セミオーダーはどこまで選べますか?
- サイズ・樹種・脚のデザイン・天板の形状・張り地まで幅広く選べます。組み合わせの自由度は国産メーカーでもトップクラスです。迷われる方が多いので、お気軽にご相談ください。
- 長く使えますか?修理はできますか?
- 耐久性のある無垢材を使い、長く使うことを前提に作られています。カバーの交換や修理など、納品後のサポートも受けられます。


