
懐かしいようで、今でも人気なのがロッキングチェア。この記事では、家具専門店の視点からロッキングチェアのメリット・デメリットを整理し、失敗しない選び方のポイント、そして当店がおすすめする国産ブランドをご紹介します。
ロッキングチェアのメリット
ロッキングチェアは、ゆらぎのリズムが心地よく、リラックスできる椅子として昔から愛されてきました。最近では読書やお昼寝、授乳用などさまざまなシーンで再注目されています。
一方で「場所をとるのでは?」「揺れすぎて疲れない?」といった声もあり、購入を迷う方も少なくありません。
リラックス効果
ロッキングチェア最大の魅力は、なんといっても「ゆらぎ」による癒しです。ゆったりとした揺れは人間の心拍や呼吸のリズムと共鳴し、自然とリラックスした状態へ導いてくれます。ハンモックや電車の揺れに眠気を感じるのと同じ効果で、読書の合間や一日の終わりに身体を預けると、疲れた心身がほぐれていくような安らぎを得られます。
用途の広さ
授乳用チェアとして赤ちゃんをあやすシーンから、リビングでの読書、昼寝や映画鑑賞まで、幅広い使い道があるのも魅力です。特に授乳期には揺れが赤ちゃんの安心につながり、子育て世代に重宝されます。また、大人にとっても、テレビを観るだけでなく昼寝用の“もうひとつの居場所”として活躍。ライフスタイルの変化に合わせて使い方を変えられるのは長く使う家具ならではです。
インテリア性
ロッキングチェアはその存在感自体がインテリアのアクセントになります。クラシカルなデザインならアンティーク家具のような重厚感を演出でき、モダンなデザインならシンプルな空間に遊び心を添えてくれます。「くつろぎの象徴」として絵になるため、置いてあるだけで部屋の雰囲気が豊かになり、来客時の話題にもなります。
国産メーカーの無垢材を使ったものであれば、年月とともに木肌の風合いが増し、家族の思い出を刻みながら育っていく「一生もの家具」としての価値があります。
ロッキングチェアのデメリット
ロッキングチェアは独特の魅力を持った家具ですが、すべての人や空間に万能というわけではありません。購入後に「思っていたのと違った」と感じてしまうケースも少なくないため、あらかじめデメリットも理解しておくことが大切です。特に注意したいのは スペース・価格・好み の3つ。これらを踏まえて検討すれば、後悔のない一脚を選ぶことができます。
設置スペースの確保が必要
ロッキングチェアは、前後に揺れる構造上、通常の椅子よりも広めのスペースを必要とします。背もたれ側や足元に余裕がないと、壁や家具にぶつかってしまうことも。特にリビングの中心に置く場合は、動線を邪魔しないか注意が必要です。広い部屋であれば問題ありませんが、限られた空間では「思ったより大きかった」と感じる方も少なくありません。購入前に実際のサイズを測り、置き場所をイメージしておくことが大切です。
価格がやや高め
国産のロッキングチェアは、無垢材を使い、熟練職人が丁寧に仕上げているため、価格は一般的な椅子に比べて高めになります。特に長時間の使用に耐えられるよう、揺れの構造や接合部に工夫が施されているため、安価な輸入品とは大きな違いがあります。その分、丈夫で長持ちする“一生もの”としての価値がありますが、初めて購入される方にとっては価格がネックになる場合もあります。
椅子と比べると3割―4割ほど高いですが、一人掛けのソファと比較すれば遜色ありません。
揺れ心地の好みが分かれる
揺れが特徴の椅子ですが、中には「揺れると落ち着かない」「長時間だと酔ってしまう」と感じる方もいます。また、インテリアとしても存在感が強いため、部屋の雰囲気に合う・合わないがはっきり出やすい家具です。家族で共有する場合は、他の人の意見も考慮して選ぶことが失敗を防ぐポイントです。
失敗しないロッキングチェアの選び方
ロッキングチェアは魅力的な一方で、設置場所や価格、好みの問題で後悔につながることもあります。そこで、購入前に押さえておきたいポイントを整理しました。これらを意識するだけで「買って良かった」と思える一脚に出会える確率がぐっと高まります。
置き場所とサイズ感を事前に確認する
ロッキングチェアは揺れるため、通常の椅子以上にスペースが必要です。壁や他の家具との距離、通路や動線を邪魔しないかを確認しましょう。部屋の寸法を測り、可能なら新聞紙などでサイズを再現してみると具体的にイメージできます。
座り心地を必ず体感する
ロッキングチェアは「揺れの心地よさ」が最大の特徴ですが、その感覚は人によって合う・合わないが大きく分かれます。背もたれの角度、座面の高さ、揺れの幅などは実際に座ってみないとわかりません。可能であればショールームや店舗で試し、自分に合った揺れ心地を確かめてから選びましょう。
メンテナンス性を確認する
長く使う家具だからこそ、カバーの交換や木部の手入れができるかも大切です。飛騨産業のようにクッションを取り替えられるモデルなら、張地を替えて気分転換したり、長年使っても清潔に保てます。購入時に「メンテナンスのしやすさ」をチェックしておくと安心です。
国産のロッキングチェアは決して安価ではありませんが、その分丈夫で、一生ものとして家族に寄り添います。「安さ」よりも「長く愛用できるかどうか」で判断することが、最終的に満足度の高い買い物につながります。
家具屋おすすめ!ロッキングチェア 3選
飛騨産業 NEWMCKINLEY

おすすめポイント
- 長時間座っても疲れにくい座ぐり加工の座面
- ダブテールが特徴的なバックスタイル
- リビングにも置きやすい圧迫感のない比較的コンパクトなサイズ感

商品の概要
- サイズ:W62.5×D71.5×H86 SH33 AH58.5
- 樹種:ホワイトオーク / ツートン(ホワイトオーク×ウォルナット)
- 価格帯:約11~12万円
当店でも人気のNEWMCKINLEYのロッキングチェア。モダンなデザインで和にも洋にもよく合います。比較的コンパクトですが使ってみると窮屈な感じがなく、誰にでもおすすめできる1脚です。ホワイトオークタイプは塗装色のバリエーションも多いので、色味によって雰囲気が変わります。是非お気軽にご相談ください。
宮崎椅子製作所 tonton

「トントン」と子供の寝かしつけるために生まれたロッキングチェア。美しいデザインと優しい揺れが特徴的です。
おすすめポイント
- 特徴的なフレームデザイン
- くつろぎ感のある低めの座面
- 安心のクッション付き

商品の概要
- サイズ:W62×D93.5×H86 SH32
- 樹種:ブナ/レッドオーク/アッシュ/ケヤキ/ブラックチェリー/ナラ/ウォールナット
- 価格帯:約21~33万円
目を引くフレームデザインが特徴的なtonton。肘掛けから脚へと続く流れるようなラインが美しく、安定感のある座り心地を実現しています。座面が低く傾斜があるため、ゆったりと使いたい方におすすめです。
飛騨産業 穂高

おすすめポイント
- 厚めのクッションで背当たりも◎
- どこか懐かしいアンティークなデザイン
- 生地で遊べる

商品の概要
- サイズ:W70.5×D93×H96 SH38 AH56
- 樹種:ホワイトオーク
- 価格帯:約15~19万円
飛騨産業の中でも長い歴史を持つ穂高シリーズのロッキングチェア。ハイバックなのでもたれた時の安定感もあります。生地の種類が豊富なのもポイントです。定番の花柄はもちろん、無地も選べます。クッションを好感しながら2代、3代と受け継いで使われる方も多い、人気のチェアです。
最後に
ロッキングチェアは、ゆったりとした揺れで心身をリラックスさせてくれるだけでなく、インテリアとしても温もりある存在感を放ちます。読書やくつろぎの時間をより豊かにし、世代を問わず長く愛用できる家具です。ぜひ暮らしの中に取り入れて、自分だけの癒しの時間を楽しんでみてください。