リビングは、家の中でもっとも長く時間を過ごす場所になりました。在宅時間が増え、「ソファでどう過ごすか」も大きく変化しています。ただ座るだけでなく、読書・映画・スマホ・昼寝・ちょっとした仕事までこなす“居場所”として、ソファに求められる役割が広がり、それに合わせてソファの形も進化しました。
その中で人気が高まっているのが、奥行きが深いソファ。あぐらをかいたり、横向きに座ったり、足を投げ出したり──自由な姿勢でくつろげる点が支持されています。
この記事では、そんな奥行き深めのソファを選ぶうえで知っておきたいポイントを、色んなメーカーの国産家具を扱う老舗家具店の立場からお伝えします。
「奥行きが深いソファ」が向いている人・向いていない人
奥行きが深いソファは、万人向けというより「合う人にはとても合う」タイプのソファです。
まずは、どんな暮らし・どんな座り方の人が深めソファと相性が良いのかを整理しておきましょう。
奥行きが深いソファが向いている人
① あぐら・横座り・足を投げ出す時間が長い人
ソファの上で体勢を崩して座ることが多い人は、奥行きが深いほど快適です。座面に余裕があるため、姿勢を切り替えやすく、長時間座っても窮屈さがありません。

② ソファの上で長く過ごす人(読書・スマホ・映画など)
“椅子”ではなく、“居場所”としてソファを使う人に、深めの奥行きはフィットします。軽く横になれる・体を預けやすいという自由度がメリットです。

③ LDKが広めで空間に余裕がある住まい
奥行き深めソファは存在感があるため、ゆとりのある空間との相性が抜群です。広さのあるリビングほど、その魅力を存分に発揮します。
④ デザインより“くつろぎ優先”で選びたい人
奥行きの深さは、見た目より「身体の楽さ」に直結します。帰宅後のリラックス時間を重視する人に向いています。
奥行きが深いソファが向いてない人
① 背すじを伸ばして座る時間が多い人
PC作業や勉強など、前傾姿勢で使うことが多い人には深さが邪魔になることがあります。背もたれにしっかりもたれて読書や映画を見たいという人にも向きません。奥行きが深すぎると腰が落ちやすく、姿勢が安定しません。
② ソファで食事や仕事をする人
食事や仕事などをする椅子の代わりにソファを使う場合は、あまりおすすめできません。カフェやファミレスのようなソファをの使い方をする場合は↓の写真のような奥行きが浅く、座面が硬いものがおすすめです。

③ 小柄な方や高齢の方がメインで使う場合
奥行きが深い=座面が広いので、身体の支えが分散されて“座りにくい”と感じることがあります。立ち上がりにくさが出る場合もあるため、座面高さとのバランスが重要です。好みが分かれるソファですので、よく座る方の理解を得るのがポイントです。

奥行き深めソファの魅力は、“自由にくつろげる余白”にあります。
日頃の過ごし方や家族の使い方を思い浮かべて、「自分たちの生活スタイルに合うか?」を確かめることが、後悔しないための第一歩です。
あぐら派がチェックすべき「奥行き」の基本
奥行きが深いソファを検討するときに、まず押さえておきたいのが“どの奥行きが、どの座り方に影響するのか” というポイントです。とくに「あぐらでくつろぎたい」人にとっては、数字の見方ひとつで座り心地が大きく変わります。
ここでは、家具屋としてお客様に実際に説明している内容を、できるだけ分かりやすく整理します。
全体奥行き(D)と、座面奥行きは別物
ソファのスペック表には、多くの場合「奥行き(D)」と書かれています。ただし、この数字だけでは“あぐらのしやすさ”は判断できません。
- 全体奥行き(D)
→ 背もたれの外側から座面前端までの長さ - 座面奥行き
→ 実際に座ったとき、お尻から膝裏へ向かう“使える奥行き”
あぐらのしやすさに関係するのは、座面奥行きのほうです。全体奥行きが大きくても、背面のフレームや背クッションが厚いと「座面奥行きは浅い」ということもあります。

カタログやネット上で仕様を確認する際は、座面奥行きの数字が記載されているかを最初にチェックしてみてください。
深めとなる座面奥行きは?基準はあぐらがかけるか
ソファの“くつろぎやすさ”を決める大きな要素が、座面奥行きの深さです。あぐらをかいて座りたい方にとっては、この数値がとても重要になります。
① 一般的な国産ソファの座面奥行き
・一般的な座面奥行き:約50〜55cm前後
多くの国産ソファはに設定されています。これは「きちんと座る」姿勢にはちょうど良い深さですが、あぐらや横座りをすると 膝が前に出やすく、窮屈さを感じる ことが多いです。
② 奥行きが深いソファの座面奥行き
・やや深めの座面奥行き:約60cm以上
60cm台に入ると、くつろぎやすく
・あぐらが組みやすい
・体勢の切り替えが楽
・腰が落ちにくい
といったプラス要素が体感しやすくなります。
・座面奥行き:70cm以上
さらに、になると、あぐら・横座り・軽いごろ寝まで対応できる“いわゆる奥行き深めのソファ”になってきます。最近ではアイランド型で、座面の自由度が高いものもありますので、そういったものですと座面が90㎝ほどあります。

③ あぐら派の出発点は「60cm以上」
あぐらを日常的にしたい人の場合、座面奥行きが60cm以上かどうかが、まずひとつの目安になります。もちろんソファの形状やクッションの厚みによって座り心地は変わりますが、“あぐらで快適に”という目的なら、一般的な50cm台よりも 60〜70cm台 を候補に入れるほうが確実です。
次の章では、実際に奥行き深めソファが得意な国産ブランドを、家具店の視点で分かりやすく紹介していきます。
おすすめの奥行きが深いソファ
ここまで奥行についてご紹介しましたが、実際にどんなソファがあるのか気になる方も多いと思います。
当店で扱っている国産家具の中から、実際にご家庭で選ばれている人気モデル をいくつかご紹介します。
飛騨産業 森のことば


- 全体の奥行:84cm
- 座面の奥行:約73cm
※背クッションなしで測定。
座面奥行きはゆったり73㎝あるので、座面であぐらをかいたり、くつろぐことが可能です。(背面のクッションがあると65㎝程度です。)

商品の概要
- サイズ:W88/147.5/169/194×D84×H67.5 SH36 AH39
- 樹種:ホワイトオーク(節入り) / ウォルナット(節入り)
- 価格帯:約20~58万円
飛騨産業の森のことばは、フラットな座面と深めの奥行きで体勢をくずしてくつろぎたい方にもぴったりのソファ。全体的に低めのシルエットなので視線をさえぎりにくく、奥行きがあってもお部屋に圧迫感が出にくいです。飛騨産業らしい贅沢な無垢フレームも相まって、お部屋のくつろぎ感を高めてくれる一台です。
ナガノインテリア LC034(D950タイプ)


- 全体の奥行:95cm
- 座面の奥行:約62cm
※D95タイプ・ボルスタークッションなしで測定。
背面のクッションのボリュームがあるので座面奥行きは62㎝です。飛騨産業の森のことばと似てますが、こちらのソファの方が背面のクッションの座り心地に重点を置いている分、クッションありで考えることをおすすめします。

商品の概要
- サイズ:W70/102/122/142/162/182/202×D95×H76 SH39(SH34~43cmオーダー可)
※D85タイプもあり - 樹種:レッドオーク / ウォールナット / ホワイトオーク / ブラックチェリー / ハードメープル
- 価格帯:約13~54万円
たっぷりとした奥行のLC034(D95タイプ)は、あぐらをかいてもゆとりがあり深く腰を落ち着けてくつろぎたい方向きの一台です。座面高がオーダーできるため、「あぐらがかきやすい深さ」と「立ち座りのしやすさ」のバランスを、自分の体格に合わせて細かく調整できるのも大きな魅力です。
モーブル ドロシーⅡ ごろ寝ソファ



- 全体の奥行:伸長時 116.5cm/伸縮時 82.5cm
- 座面の奥行:伸長時 約103cm/伸縮時 約57cm
※背クッションなしで測定


商品の概要
- サイズ:W180.5/199×D82.5・116.5×H76・69 SH37.5
- 樹種:オーク
- 価格帯:約25万円
モーブルのドロシーⅡごろ寝ソファは、座面を伸ばしても使えるソファベッドです。伸長時たっぷりとした広さがあるため、あぐらをかいたり脚を投げ出すのはもちろん、小さなお子さまと横に並んでくつろぐのにもぴったりです。ソファスタイルで普段はコンパクトに、ごろ寝スタイルで週末は親子のくつろぎスペースに、など子育て世代にもおすすめの柔軟に使えるソファです。
ナガノインテリア LC062


- 全体の奥行:90cm
- 座面の奥行:約70.5cm

商品の概要
- サイズ:W90/110/130/160/180/200×D90×H64 SH33 AH51(SH29~39cmオーダー可)
- 樹種:レッドオーク / ウォールナット / ホワイトオーク / ブラックチェリー / ハードメープル
- 価格帯:約16~31万円
ナガノインテリアのLC062は、ソファの上で完結してくつろぎたい方にぴったりのソファ。アームレスやエンドソファ、コーナーエンドソファなどを組み合わせてレイアウトできるので、広い奥行きを活かしながら、お部屋や家族構成に合ったくつろぎ方をつくりやすい商品です。
FLANNEL SOFA SIESTA


- 全体の奥行:90cm
- 座面の奥行:約63cm


商品の概要
- サイズ:W140/160/181/200×D90×H68 SH32
- 価格帯:約17~45万円
フランネルソファのシエスタは、お昼寝に適したローソファというコンセプトの通り、座るだけでなく寝転んでも使える万能ソファです。かためのフラットな座面が身体をしっかり支えてくれるので、あぐら・横座り・ごろ寝と体勢を変えても沈み込みすぎず、長時間でもラクにくつろげます。
後悔しないための“事前チェック”は、この3つだけ
① 普段の座り方に合うか
奥行き深めは、あぐら・横座り・足を投げ出すといった“くつろぎ姿勢”が得意。あなたが本当に家でよく座る座り方を改めて考えてみましょう。
そして実際にお店でも許可を取って、あぐら、背中を預けてじっくりすわってみましょう。家と同じように靴を脱いで座るのもポイントです。
② 部屋に置いたときのサイズ感
奥行き90〜100cm台は想像以上に存在感があります。図面に奥行きを書き込むだけで、後悔をほぼ防げますし、気になる方は新聞紙で実寸大のサイズを確認するのもおすすめです。
今回紹介したものは高さが低めなので、比較的圧迫感は少なめのものをチョイスしました。
③ 家族の体格との相性
小柄・高齢の方は深い奥行きが使いにくいことも。クッションで調整できるモデルもあるので、お店の方にそのあたりもきいてみましょう。
気になる方は気軽にご相談を
購入を考えてる方や、相談したい方はお気軽に当店までご連絡ください。お電話やメールだけでなく、LINEでの問い合わせも可能です。具体的な商品のお見積りも可能です。

最後に
奥行きが深いソファは、あぐらをかいたりごろ寝をしたり、ソファの上で自由にくつろげる時間をつくってくれます。ソファをお探しの方も、自分のくつろぎスタイルに合わせて奥行の深いソファを検討してみてはいかがでしょうか。
今回の記事が気兼ねなく楽しめる一台に出会うきっかけになればうれしいです。お悩みの方もぜひお気軽にご相談ください。
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