家具キノクニヤ店長
犬がいるからダイニングを妥協しなければ、は思い込みです。悩みの種類と犬の大きさに合わせて正しく選べば、長く使えるダイニングは作れます。
犬がダイニングに与える悩み——猫とここが違う
猫のダイニングへの悩みは爪とぎが中心でしたが、犬は全く異なります。
① 噛み傷——椅子の脚やテーブルの脚を噛む。噛む力は犬の大きさによって大きく違い、小型犬なら表面に傷がつく程度ですが、中型犬以上になると深刻な噛み傷になることがあります。噛むのは習性なのでゼロにはできませんが、しつけで頻度を減らすことはできます。
② よだれ・粗相——座面や床への汚れの主な原因です。よだれの量は犬種によって大きく異なり、フレンチブルドッグやラブラドールなどは特に多い。水分が多い汚れは生地に染み込みやすく、放置すると臭いの原因にもなります。
③ 抜け毛——犬種によって量が大きく違います。ゴールデンレトリバーや柴犬など抜け毛が多い犬種は、座面や床への毛の付着が日々の悩みになります。
④ テーブルへの飛び乗り——食べ物目当てに椅子を踏み台にしてテーブルに乗ろうとする犬がいます。これは家具選びで解決できる問題ではなく、しつけと食事中の管理(テーブルに食べ物を置かない、食事中はケージに入れるなど)で対応する話です。
猫と大きく違うのは、爪とぎがほぼないという点です。引っかき傷より噛み傷・よだれ・抜け毛への対策を優先するのが、犬がいる家庭のダイニング選びの基本です。
ダイニングチェアの選び方——犬の大きさで変わる
小型犬(チワワ・トイプードル・ダックスフンドなど)
小型犬は噛む力が弱いため、家具へのダメージは比較的小さい傾向があります。座面の生地はよだれが比較的少ない犬種が多いため、汚れ対策より抜け毛が絡みにくい生地を優先する方が現実的です。万が一の噛み傷に備えて、カバーリング構造のチェアを選んでおくと安心です。
中型犬以上(柴犬・フレンチブルドッグ・ゴールデンレトリバーなど)
噛む力が増すため、脚への噛み傷が深くなりやすい。無垢材の脚であれば削って再塗装・オイル仕上げで補修できますが、被害が大きくなる前に対策しておくことが重要です。

よだれが多い犬種(フレンチブルドッグなど)は座面汚れが深刻になりやすいため、アクアクリーン生地を優先して選ぶのがおすすめです。また体重が重いため座面のへたりが早くなる傾向があります。座面のクッション材の品質とフレームの強度も、購入前に確認しておきましょう。
ゴールデンレトリバーや柴犬など抜け毛量が多い犬種は、毛が絡みにくい生地選びが特に重要です。
チェアへの上り下りは犬の体への負担になることも
ダイニングチェアの座面高は一般的に40〜45cmが多く、小型犬や胴長のダックスフンドにとっては関節や腰への負担が大きい高さです。乗りたがる犬に無理に上り下りさせるより、食事中は床で待たせる・ケージに入れるという方が犬の体にとって優しい選択です。

ベンチタイプ——犬と一緒にくつろげる選択肢
チェアの代わりにベンチを選ぶと、犬との距離が自然と縮まります。座面が広いので犬が横でくつろぎやすく、食事の後にそのままリビングのように使える。脚の本数も少ないため、噛み傷の標的になる面積が減るという実用的なメリットもあります。
ダイニングテーブルの片側だけベンチにするという選択肢もあります。チェアとベンチを組み合わせることで、犬の居場所を自然に確保しながらダイニング全体のデザインも整えられます。
座面の生地——犬に向いているのはどれか
猫と違い、犬は引っかきよりよだれ・粗相・抜け毛への対策を優先するのが基本です。当店が取り扱う3メーカーのペット対応生地を整理しました。
| メーカー | 生地名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 飛騨産業 | スピリット | アクアクリーン。よだれ・粗相を水だけで落とせる |
| ガウチョ | アクアクリーン+ひっかきにも強い。バランス型 | |
| ディナミカ | 撥水性あり。汚れが染み込みにくい | |
| ナガノインテリア | AF83*シリーズ | スクラッチフリー×ウォッシャブル。洗えて抜け毛対策にも |
| ベルベット調生地 | 引っかき強度に優れる | |
| 浜本工芸 | ガウチョ | アクアクリーン対応。水だけで汚れが落ちる |
| ディナミカ | 撥水性あり。汚れが染み込みにくい |
また国産チェアは座面の張り替えができるものが多いのが強みです。宮崎椅子製作所やイバタインテリアは張り地を選べる商品が充実しており、傷んでも座面だけ張り替えることで長く使い続けられます。各生地がすべての商品で選択できるかどうかは商品ごとに異なりますので、気になる悩みをLINEやメールでお伝えください。
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テーブルに乗る問題——正直に言います、家具では解決できません
犬がテーブルに乗ろうとする理由は、ほぼ食べ物目当てです。椅子を踏み台にしてテーブルに飛び乗ることを覚えた犬は、飼い主の目を盗んで繰り返します。
これは家具の形状や素材で解決できる問題ではありません。しつけと食事中の管理——テーブルの上に食べ物を置かない、食事中はケージやクレートに入ってもらう——が現実的な対策です。家具屋として正直に言うと、「テーブルに乗らせない家具」は存在しません。

家具として貢献できるのは、乗られたときの天板の汚れ対策と脚の噛み傷対策だけです。その選び方を次のパートで解説します。
ダイニングテーブルの脚——噛み傷と衝撃への対処
① 木製の脚——噛み傷はつくが、無垢材なら直せる
木製の脚は犬の噛み傷の標的になりやすい素材です。小型犬なら表面に軽い傷がつく程度ですが、中型犬以上になると深い噛み跡が残ることがあります。ただし無垢材の脚であれば、削って再塗装・オイル仕上げで補修できます。「噛まれたら終わり」ではなく「直せる素材」として選ぶのが国産無垢家具の強みです。
② アイアン脚——噛み傷がつかない、正直向いている素材
金属は犬が噛んでも傷がつきません。噛み傷が心配な家庭には正直向いている素材です。ナガノインテリアでは無垢材天板+アイアン脚の組み合わせを選べるモデルがあり、木の質感を活かしながら脚への噛み傷リスクを大幅に下げられます。

ただし一点注意があります。アイアン脚は細くて硬い素材のため、犬がぶつかったときの衝撃が木製より大きくなることがあります。テーブル下を走り回る犬がいる場合は、この点も考慮に入れてください。
③ 脚の形状と丸み——ぶつかっても安心な形状を選ぶ
犬はテーブル下を走り抜けたり、興奮して動き回ったりするときに脚にぶつかることがあります。角張った断面の脚より、丸断面や面取りされた脚の方がぶつかったときの怪我リスクが低くなります。
また細い脚より太い脚の方が安定感があり、犬がぶつかってもテーブルが揺れにくい。X脚やH脚など横桟が入るデザインは、犬が潜り込んで引っかかりやすいため注意が必要です。
ダイニングテーブルの天板——汚れ対策の正直な評価
犬がテーブルに乗った場合、よだれや食べこぼしが天板に付着します。天板素材によって汚れへの強さが大きく変わります。
① メラミン天板——汚れに強く、犬がいる家庭に正直向いている
表面が硬く傷がつきにくい。よだれや食べこぼしが染み込まず、拭き取りやすい。家具屋として正直に言うと、犬がいる家庭にはメラミン天板は向いている素材です。ただし傷がついた場合の補修は難しく、木の質感・経年変化は楽しめません。
② 無垢材(オイル仕上げ)——汚れは染み込むが、傷は直せる
よだれや水分が染み込みやすいため、拭き取りは素早く行う必要があります。ただし傷がついても削って補修できる。木の質感と経年変化を楽しみながら、長く使い続けたい人向けの素材です。こまめなメンテナンスを前提にするなら、犬がいても選べる天板です。

③ 無垢材(ウレタン塗装)——中間的な選択肢
塗膜があるためオイル仕上げより汚れが染み込みにくく拭き取りやすい。ただし深い傷の補修はオイル仕上げより難しい。汚れ対策と木の質感を両立したい場合の中間的な選択肢です。
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よくある質問
Q. 犬に椅子の脚を噛まれています。直せますか?
無垢材の脚であれば、削って再塗装・オイル仕上げで補修できます。傷の深さによりますが、専門店や家具修理業者に相談することで対応できるケースが多いです。今後の対策としては、アイアン脚のチェアに変えるか、脚が太めで丸みのあるデザインを選ぶことで被害を減らせます。
Q. よだれが多い犬種ですが、座面生地は何を選べばいいですか?
アクアクリーン加工の生地がおすすめです。水だけでよだれ・粗相・皮脂汚れを落とせます。飛騨産業の「スピリット」「ガウチョ」、浜本工芸の「ガウチョ」が対応しています。またナガノインテリアの「AF83*シリーズ」はウォッシャブルで丸洗いできるため、よだれが多い犬種にも適しています。
Q. 小型犬がいます。椅子の高さはどのくらいが適切ですか?
犬を椅子に乗せることを前提にするなら、座面高35cm以下が目安です。(一般的な椅子の座面高は40-42㎝が多いので選択肢がかなり減ります)ただし小型犬、特にミニチュアダックスフンドなど腰に負担がかかりやすい犬種は、椅子への上り下り自体を避けさせる方が健康的です。椅子の前にステップやスロープを置くことで、日々の負担を減らせます。
Q. テーブルに乗るのをやめさせたいのですが、家具選びで対応できますか?
家具選びで解決できる問題ではありません。犬がテーブルに乗るのは食べ物目当てがほとんどで、しつけと食事中の管理(テーブルに食べ物を置かない、食事中はケージに入れるなど)が現実的な対策です。家具として貢献できるのは、乗られたときの天板の汚れ対策と脚の噛み傷対策のみです。







