
2026年は、国産家具メーカーの値上げが本当に相次いだ一年でした。飛騨高山で60年以上家具を扱ってきた専門店として、メーカーから届く値上げの案内を毎年見てきましたが、ここ数年は値上げの間隔が目に見えて短くなっています。この記事では、2026年にすでに値上げしたメーカーと、これから値上げするメーカーを時期の順にまとめました。

驚いたのが、ウォールナット家具で有名なマスターウォールです。2026年5月に価格を改定したばかりですが、12月にもう一度値上げすることを発表しました。わずか7か月での再値上げで、この短い間に原材料や為替をめぐる状況がどれだけ変わったかがよく分かります。また、これから柏木工(12月)と飛騨産業(2027年1月)の値上げも控えています。購入を検討中の方は、時期の確認にお役立てください。
似たような動きで、浜本工芸さんも当初7月予定でしたが、状況の変化から10月に変更し当初よりも大幅な値上げとなりました。家具に限らず、世界的な動きなので仕方ないところではありますが、この数年の変化には驚くばかりです。
2026〜2027年 国産家具メーカーの値上げ一覧
主要な国産家具メーカーの値上げを、実施日の順に並べました。値上げ幅はメーカーや商品によって異なりますが、おおむね5〜15%程度です。
| 状況 | メーカー | 新価格になる時期 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 値上げ済み | マスターウォール | 2026年5月9日ご注文分から | 一部商品 |
| 値上げ済み | カリモク家具 | 2026年6月29日ご注文分から | 商品全般 |
| 値上げ済み | 宮崎椅子製作所 | 2026年8月1日から | |
| 値上げ済み | ナガノインテリア | 2026年9月1日から | |
| 値上げ済み | イバタインテリア | 2026年9月16日から | 国産製品のほぼ全シリーズ |
| 値上げ済み | 浜本工芸 | 2026年10月1日ご注文分から | 当初の7月1日から延期 |
| 値上げ済み | 広松木工 | 2026年10月1日から | |
| これから | 柏木工 | 2026年12月16日ご注文分から | 旧価格は出荷期限あり |
| これから | マスターウォール | 2026年12月17日ご注文分から | 2026年2回目。詳細は11月2日公開予定 |
| これから | 飛騨産業 | 2027年1月8日ご注文分から | ほぼすべてのシリーズ |
※2026年10月24日時点の情報です。新しい案内が出しだい更新します。
2026年にすでに値上げしたメーカー
マスターウォール(2026年5月)
ウォールナット無垢材の家具で知られる岡山のブランドです。2026年5月9日のご注文分から、一部の商品の価格を改定しました。理由として、国際情勢の影響による原材料費・物流費・エネルギーコストの高騰を挙げています。前年の2025年5月にも製品全般で価格を改定しており、2年続けての値上げでした。
カリモク家具(2026年6月)
国内最大手のカリモク家具は、2026年6月29日のご注文分から商品全般を値上げしました。理由として、中東情勢の悪化による資材調達の難しさと、物流費の高騰をはっきりと挙げています。最大手でも価格を据え置けなかったことが、今年の状況をよく表しています。
宮崎椅子製作所(2026年8月)
徳島の椅子メーカーで、国内外のデザイナーと組んだ名作椅子で知られています。2026年8月1日から新価格になりました。
ナガノインテリア(2026年9月)
脚や天板、張地を組み合わせて選べるセミオーダーで人気のメーカーです。2026年9月1日から新価格になりました。
イバタインテリア(2026年9月)
飛騨市古川町の家具メーカーです。2026年9月16日から、国産製品のほぼすべてのシリーズが新価格になりました。
浜本工芸(2026年10月)
広島のナラ材家具の老舗です。当初は7月1日に予定していましたが延期となり、2026年10月1日のご注文分から新価格になりました。延期されたことで、夏の間に検討を進められた方も多かったはずです。
その他のメーカー
福岡・大川の広松木工も2026年10月1日から価格を改定しました。このほかにも、7月から8月にかけて価格を改定した国内の家具メーカーは数多くあります。ここに載っていないメーカーをご検討中の方も、一度値上げの予定を確認しておくと安心です。
これから値上げするメーカー(2026年12月〜2027年1月)
年末から年明けにかけて、飛騨高山の2大メーカーとマスターウォールの値上げが続きます。購入を検討中の方は、ここが一番大事なところです。
柏木工(2026年12月16日ご注文分から)
飛騨高山の家具メーカーで、「KASHIWA」ブランドの家具全般が対象です。注意したいのは、旧価格に出荷の期限があることです。旧価格で買えるのは「2026年12月15日までのご注文、かつ2027年6月15日までの出荷分」で、それより後に出荷されるものは、注文が早くても新価格になります。新居の完成が来年の夏以降になる方は、出荷の時期まで確認しておきましょう。あわせて、一部製品の仕様変更や、製品・張地の廃番も予定されています。
マスターウォール(2026年12月17日ご注文分から)
5月に続く、2026年2回目の値上げです。メーカー自身も「短期間での再度の改定」とお詫びしています。今回は価格だけでなく、商品ラインナップや張地、一部の仕様も見直すとのことです。気に入っている商品や張地が廃番になる可能性もあるので、決めている仕様がある方は早めに確認しておくのがおすすめです。改定の詳しい内容は、2026年11月2日に公式サイトで公開される予定です。
飛騨産業(2027年1月8日ご注文分から)
「キツツキマーク」で知られる飛騨高山の老舗で、森のことば、穂高、CRESCENTなどほぼすべてのシリーズが対象です。前回の値上げは2024年12月で、約2年ぶりになります。当店では、値上げ前にご注文いただいた飛騨産業の家具を、2027年6月末のお届けまでお預かりできます。(それ以降も要相談)新居の完成を待っている方も、価格だけ先に確定させることができます。
マスターウォールが2026年に7か月で再値上げした理由|世界情勢の変化
5月の改定で、メーカーは当面の価格を決めたはずです。それでも半年あまりで再び値上げに踏み切ったのは、その後も状況が悪くなり続けたからです。マスターウォールは、5月の改定後も原材料費と物流費の高騰、円安が続いたことを理由に挙げています。家具づくりに関わるコストを分けると、次のようになります。
中東情勢と石油由来の資材:2026年は中東情勢の悪化で原油の供給が不安定になりました。家具に欠かせない塗料、ソファのウレタン、接着剤、梱包材は、どれも石油からつくられています。カリモク家具や柏木工も、値上げの理由として中東情勢を挙げています。
円安と輸入材:ウォールナットやオークなど、国産家具でも多くの木材は北米や欧州から輸入しています。円安が続くと、同じ量の木材を買うのに多くのお金がかかります。ウォールナットが主力のマスターウォールにとっては、とくに影響の大きい部分です。中長期的には国産材の仕様も各メーカー力を入れていますが、すぐに解決する問題ではありません。特にウォールナットは輸入材に頼らざるをえないのが、現状です。
物流費:家具は大きく重いため、運ぶ費用の影響を受けやすい商品です。燃料費の上昇やドライバー不足で、輸送の費用も上がり続けています。
人件費:国産家具は、職人の手を多くかけてつくられています。賃金の上昇に加え、技術を持った職人を確保し、育てていくための費用も増えています。国内でつくり続けるかぎり、避けられないコストです。
どれか一つではなく、これらが同時に上がっているのが今の状況です。半年前に決めた価格の前提が、半年後にはもう通用しない。マスターウォールの年2回の値上げは、それだけ早く状況が変わっていることの表れだと言えます。
値上げの間隔はどんどん短くなっている
当店が長く扱ってきた飛騨産業と、マスターウォールの値上げの時期を並べてみました。
| メーカー | 値上げの時期 | 前回からの間隔 |
|---|---|---|
| 飛騨産業 | 2019年1月 | ― |
| 2022年12月 | 約4年 | |
| 2024年12月 | 約2年 | |
| 2027年1月 | 約2年 | |
| マスターウォール | 2025年5月 | ― |
| 2026年5月 | 約1年 | |
| 2026年12月 | 約7か月 |
以前は数年に一度だった値上げが、今では1〜2年に一度、早いメーカーでは1年に2回になっています。「次の値上げまでに考えればいい」という感覚は、もう通用しにくくなっていると感じます。
値上げ前に買うときに気をつけたいこと
値上げ前の駆け込みは、毎回多くのお客様からご相談をいただきます。専門店として見てきた中で、事前に知っておくと安心なことをまとめました。
「注文日」だけでなく「出荷日」も確認する
多くのメーカーは「〇月〇日ご注文分から」と注文日で区切りますが、出荷の期限を設けているメーカーもあります。お届けが先になる方は、旧価格がいつの出荷分まで有効かを家具店に確認しておきましょう。
値上げ直前は納期が延びやすい
値上げ前は注文が一度に集中するため、メーカーの生産が追いつかず、納期が延びることがよくあります。年内や春までに届けたい方は、値上げの日よりも前に、早めに相談しておくのがおすすめです。今回浜本工芸やナガノインテリアでも駆け込みの影響で通常よりも1-2か月納期が長くなりました。
仕様変更や廃番にも注意
今回の柏木工とマスターウォールは、値上げと同時に商品や張地の見直しも行います。気に入っている張地や仕様がある方は、値上げ後には選べなくなる可能性もあります。
急がなくていい人もいる
値上げ前に買う方がお得なのは確かですが、間取りやサイズがまだ決まっていないのに、値上げに合わせて慌てて決める必要はありません。数万円の値上げより、部屋に合わない家具を選んでしまう方がずっと後悔につながります。迷っている段階なら、まずは候補を絞るところからご相談ください。
よくある質問
Q. 値上げの幅はどのくらいですか?
A. メーカーや商品によって異なりますが、おおむね5〜15%程度です。同じメーカーでも、商品ごとに上がり幅が違ったり、据え置きの商品があったりします。気になる商品がある方は、個別にお問い合わせください。
Q. 値上げ後に価格が下がることはありますか?
A. 原材料費や物流費、人件費が下がる見通しが立たないかぎり、値下げは期待しにくいと考えています。今の状況では、むしろ次の値上げを見込んでおく方が現実的です。
Q. 値上げ前に注文して、届くのは値上げ後でも大丈夫ですか?
A. メーカーによって条件が異なりますが、ある程度はメーカーや家具店で保管が可能です。購入を予定している家具店に是非相談してみてください。
Q. 次の値上げはいつ頃ですか?
A. 正確な予測はできませんが、値上げの間隔は年々短くなっています。マスターウォールのように1年に2回改定するメーカーも出てきているので、検討中の商品があれば、こまめに情報を確認しておくのがおすすめです。
まとめ
2026年は、カリモク家具、浜本工芸、ナガノインテリアなど主要な国産家具メーカーの多くが値上げに踏み切りました。そしてこれから、柏木工が12月16日、マスターウォールが12月17日、飛騨産業が2027年1月8日のご注文分から値上げします。マスターウォールの年2回の値上げに表れているように、原材料、為替、物流、人件費をめぐる状況は短い期間で大きく変わっています。
検討中の家具がある方は、値上げの日だけでなく、納期や出荷の期限、仕様の変更まで含めて確認しておくと安心です。どのメーカーの値上げに関係するか分からない場合も、お気軽にLINEでご相談ください。
