樹種や生地など選べるものが多い国産家具。塗装もそのうちの一つです。こちらの記事では国産家具の塗装方法についてご紹介します。
主な塗装について
国産家具の主な塗装は4種類。中でもウレタンとオイルは定番の塗装方法で、この二つから選べるメーカーも多いです。
- ウレタン塗装
- オイル塗装
- 蜜蝋ワックス
- ソープ仕上げ
ウレタン塗装
ウレタン塗装は木の表面にウレタン樹脂の塗膜を作るもので、よく家具に使われている塗装方法です。
塗膜を作るためキズや汚れ、水に強く、メンテナンスも必要ないため日常的に扱いやすくなっています。小さなお子様がいるご家庭や、メンテナンスの手間が掛けられないという方にはおすすめです。
ウレタン塗装と聞くとテカテカした質感を想像する方もいるかもしれませんが、国産家具は基本ツヤが抑えられたナチュラルな仕上がりとなっています。
〇 メリット
・キズや汚れ、水に強い
・扱いやすい
・メンテナンスが必要ない
△ デメリット
・目立つ傷が着いた際に自分でメンテナンス(再塗装)できない
メンテナンスは不要ですが、万が一大きな傷がついたときなど自分でメンテナンスできない分、キズや汚れなどは工場での修理が必要となります。
多くの家具メーカーの標準的な塗装です。
オイル塗装
オイル塗装とは植物性の自然系塗料を使用した塗装方法です。オイルを木部に染み込ませ、表面と内側の両方から木を保護します。
小さなキズや汚れなどは自分でメンテナンス可能となり、定期的なメンテナンスをしていくことで家具を育てる楽しみが味わえるのもオイル塗装の魅力です。
無垢の手ざわりや風合いが感じられる人気の塗装方法ですが、水分や熱に弱いので使う際は注意が必要です。
〇 メリット
・無垢の手ざわりや風合いが楽しめる
・体に優しい
・小さなキズや汚れは自分で補修できる
△ デメリット
・メンテナンスが必要
・水分や熱などに弱い
多くの国産家具メーカーで標準的な塗装です。
蜜蝋ワックス
蜜蝋ワックスはミツバチの巣から取れた無漂白の蜜蝋と、エゴマ油など植物油をブレンドして出来た自然系塗料です。自然系塗料のため、人体や環境に優しく自然な風合いが楽しめるのが魅力です。
また、はっ水性や汚れが付きにくくなるという効果も期待できます。
蜜蝋ワックスは重ね塗りの必要がなく、スポンジで簡単に塗布することができるため比較的メンテナンスの手間がかかりません。
〇 メリット
・自然なツヤや風合い
・体や環境に優しい
・はっ水性や防汚効果
・小さなキズや汚れは自分で補修できる
△ デメリット
・メンテナンスが必要
・使い方や環境によってはカビが発生する場合がある
・宮崎椅子製作所
など
ソープ仕上げ
ソープ仕上げはその名の通り、石鹸を用いた塗装方法です。家具を洗うように石鹸水を塗り、拭き取って乾かすという一見珍しい方法ですが、北欧では一般的でもあります。
他の塗装との大きな違いは石鹸という乾燥したものを塗り込むので、オイル仕上げと異なり濡れ色にならないため、木本来の質感に近い風合い、手触りが楽しめます。そして使うほどに、滑らかさとツヤがアップします。
木の導管に残った石鹸分が木を保護し、汚れをつきにくくしてくれます。白っぽい仕上がりになるためブナのような明るい樹種におすすめです。Yチェアなどを好んでソープ仕上げにする方は多いですね。
〇 メリット
・木そのものに近い質感・風合いが楽しめる
・使うほど汚れがつきにくくなる
・小さなキズや汚れは自分で補修できる
△ デメリット
・メンテナンスに手間がかかる
・汚れが目立ちやすい
・宮崎椅子製作所
・CARL HANSEN&SON
など
お手入れ・メンテンナンスについて
全体を通して一番ポイントになるのが、自分でメンテナンスを定期的にできるかどうかという点です。ウレタン塗装だけが唯一メンテナンス不要ですが、それ以外の3つは自分でメンテナンスができることがメリットでもあり、デメリットでもあります。
メンテナンス自体は手間ではありますが、小さな傷などを自分でも修復ができるという点が大きなメリットです。またメンテナンス自体が愛着が湧いてくるというのも魅力です。
ウレタン塗装
■ 日常のお手入れ方法
・やわらかい布で乾拭き
・かたく絞った布で拭き取る(軽い汚れ等)
■ しつこい汚れには
①ぬるま湯で薄めた中性洗剤を浸しかたく絞った布で拭き取る
②洗剤成分を拭き取る
③乾拭き
オイル塗装
■ 日常のお手入れ方法
・やわらかい布で乾拭き
・かたく絞った布で拭き取る(軽い汚れ等)
■ メンテナンス方法
①表面の汚れを拭き取る
②紙やすりをかけて木の粉を拭き取る
③ウエスでオイルを塗る
④乾いたウエスで余分なオイルを拭き取る
⑤乾燥させる
メンテナンスのタイミング
✓年2回の定期メンテナンス(梅雨の前と冬になる前を推奨)
✓小さなキズや汚れが気になったら
☝仕上げに蜜蝋ワックスを塗る場合も
☝紙やすりは240番や320番など
蜜蝋ワックス
■ 日常のお手入れ方法
・やわらかい布で乾拭き
・かたく絞った布で拭き取る(軽い汚れ等)
■ メンテナンス方法
①表面の汚れを拭き取る
②食器洗い用のスポンジなどでワックスを塗布する
③ウエスで余分なワックスを拭き取る
⑤乾燥させる
メンテナンスのタイミング
✓表面のかさついてきたら
✓白っぽくなってきたら
☝ひどい汚れなどは①のあと紙やすりを使用する
☝ワックスはムラにならないよう薄く伸ばす
☝一度塗りでOK
ソープ仕上げ
■ 日常のお手入れ方法
・やわらかい布で乾拭き
・かたく絞った布で拭き取ってから乾拭き(軽い汚れ等)
■ メンテナンス方法
①ぬるま湯で石鹸を溶かして泡立てる
②洗うようにスポンジで泡を塗る
③タオルで泡を拭き取る
④乾燥させる
⑤やすりをかける
メンテナンスのタイミング
✓年に1回程度
☝純石鹸を使用する
☝やすりは400番以上
各メーカーの対応する塗装
当店でも取り扱う国産メーカーで対応している塗装をまとめてみました。
・ウレタン塗装
・オイル塗装
・ウレタン塗装
・オイル塗装
・ウレタン塗装
・蜜蠟ワックス
・オイル塗装
・ウレタン塗装
・ソープ仕上げ
・ウレタン塗装
・オイル塗装
最後に
いかがでしょうか。それぞれ特徴や違いを知って自分に合った塗装を見つけてください。