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マスターウォールと飛騨産業を比較|ウォールナットとオーク、どっちを選ぶ?両方扱う家具屋が本音で解説

マスターウォールと飛騨産業。どちらも国産の無垢材家具を代表する人気ブランドです。テイストはまったく違うのに、ダイニングやソファを探していると、意外とこの2つで迷う方が多くいます。

家具キノクニヤ店長

家具キノクニヤは、飛騨産業のおひざもと、岐阜県飛騨高山で60年以上家具を販売してきた専門店です。この記事では、飛騨産業とマスターウォールの両方を扱う家具屋として、2つのブランドの違いを本音でお伝えします。 どちらも品質は確かで、「どちらが上か」で選ぶブランドではありません。いちばん大きな違いはテイスト、そしてものづくりのスタンスです。そこがわかると、自分に合うほうが自然に見えてきます。

結論|マスターウォールと飛騨産業、どっちが向いている?

こんな方におすすめ
ウォールナットで、スタイリッシュなモダンにまとめたいマスターウォール
無垢材とアイアン・ファブリックを組み合わせた空間が好きマスターウォール
オークで、木の温かみを感じる部屋にしたい飛騨産業
椅子の座り心地を何より重視したい飛騨産業
保証の長さを重視したい飛騨産業(10年保証)
テーブルはウォールナット、椅子は座り心地で選びたい組み合わせもおすすめ

ひと言でまとめると、ウォールナットとスタイリッシュさならマスターウォール、オークの温かみと座り心地なら飛騨産業です。

マスターウォールと飛騨産業の基本比較

項目マスターウォール飛騨産業
本社岡山県浅口郡里庄町岐阜県高山市
創業1961年(ブランドは2006年)1920年
ものづくりの始まり婚礼用の桐箪笥(箱もの家具)椅子(曲木)
得意な樹種ウォールナットオーク(ナラ)
テイストスタイリッシュなモダン木の温かみを生かしたナチュラル〜和モダン
代表シリーズワイルドウッド、デニッシュ、ブループリントCRESCENT、SEOTO、森のことば
主な仕上げオイル仕上げウレタン塗装・オイル仕上げ
デザイナー外部デザイナーと協業外部デザイナーと協業
保証3年木部10年

どちらも外部のデザイナーと組んで家具をつくっていて、受注生産で一つずつ仕上げる点も共通しています。違いが出るのは、得意な素材と、ものづくりの成り立ちです。

違い① 成り立ち|箪笥から始まったマスターウォール、椅子から始まった飛騨産業

マスターウォール:婚礼箪笥から、ウォールナットの家具ブランドへ

マスターウォールを手がけるAKASE GROUP(旧アカセ木工)は、1961年に岡山県笠岡市で、婚礼用の桐箪笥をつくる木工所として始まりました。公式の歴史紹介によると、1990年代までは箪笥などの箱もの家具が中心で、テーブルや椅子、ベッドはつくっていなかったそうです。

画像提供:MASTERWAL

転機は、住まいや暮らしの変化で婚礼箪笥の需要が減っていった1990年代。新しい家具づくりに挑むなかで、家具店で見かけた異素材を組み合わせた輸入テーブルに着想を得て、約1年かけて開発したのが、1999年に発表したダイニングテーブル「ワイルドウッド」です。ウォールナットの無垢天板にスチールの脚を組み合わせたこのテーブルは、今では定番になった「無垢材×スチール」のテーブルの先駆けともいえる存在でした。

年できごと
1961年岡山県笠岡市で、婚礼用の桐箪笥をつくる木工所として創業
1972年株式会社アカセ木工として法人化
1999年ダイニングテーブル「ワイルドウッド」を発表
2004年ソファ「デニッシュ」を発表
2005年箪笥の生産を終了
2006年ウォールナットの家具ブランド「マスターウォール」を立ち上げ
2017年東京・銀座に本店をオープン
2024年社名をAKASE GROUP株式会社に変更
画像提供:MASTERWAL

その後、ソファ、リビングボード、ベッドと製品の幅を広げ、2006年にウォールナットの家具ブランドとして「マスターウォール」を立ち上げます。今では、岡山県里庄町の自社工場で、木取りから加工、仕上げ、梱包までを一貫して手がけ、テーブル、椅子、ソファ、ベッド、収納まで幅広いラインナップをそろえています。この「木と異素材を組み合わせる」発想が、今のマスターウォールのスタイリッシュな雰囲気の原点です。

デザインは、近藤俊介さん(ブループリント)、小林幹也さん(YUシリーズ)、伊藤浩平さん(モアレス、ユニゾン)など、外部のデザイナーと協業しています。

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飛騨産業:椅子づくりと曲木の技術から

飛騨産業は1920年、岐阜県高山市で創業しました。西洋から伝わった曲木(まげき)の技術を、飛騨の木工の技と組み合わせて椅子をつくるところから始まったメーカーです。曲木とは、木を高温の蒸気で蒸して、やわらかくしてから曲げる技術のこと。100年以上、椅子をつくり続けてきた積み重ねがあります。

画像:飛騨産業 曲木の様子

そのため、椅子つくる技術は飛騨産業が一段上だと、両方を扱う立場から感じています。座面の削り方、背もたれのカーブ、肘の当たり方。座ったときの違いは、写真では伝わりにくいところですが、確かな違いがあると感じています。

飛騨産業 SEOTOシリーズ

違い② テイストとスタンス|ウォールナットのモダンと、森・木への意識

2つのブランドのいちばん大きな違いは、テイストです。そして、その奥にあるものづくりのスタンスです。

マスターウォール:ウォールナットを極めた、スタイリッシュなデザイン

マスターウォールは、その名のとおり「ウォールナットのマスター(達人)」を目指すブランドです。デザインはスタイリッシュで、無垢材の家具でありながら、アイアンやファブリックを組み合わせたモダンな雰囲気が持ち味です。都会的なマンションや、すっきりした現代的な住まいによくなじみます。

画像提供:MASTERWAL

飛騨産業:森や木への意識がデザインに出ている

飛騨産業はシリーズがとても多く、ひとつのテイストでは語れません。それでも共通しているのは、森や木への意識です。100周年を機に新たに整理した4つの価値観では「人を想う 時を継ぐ 技を磨く 森と歩む」森や自然への想いが強く込められています。たとえば「森のことば」は、それまで家具には使われてこなかった木の節を、あえて個性として生かしたシリーズ。山の木を余さず使おうという姿勢が、そのままデザインになっています。

それがよく表れているのがソファです。飛騨産業のソファは、基本的に木のフレームの上にクッションを載せるつくりで、あくまで木がベースにあります。背面までファブリックで張り、木の分量を抑えたマスターウォールのデニッシュソファとは、考え方が対照的です。木の温かみを感じながら暮らしたい方には、飛騨産業がしっくりきます。

違い③ ウォールナットとオーク|樹種と木材の品質

マスターウォールはウォールナット、飛騨産業はオーク(ナラ)。これが基本の得意分野です。ただ、飛騨産業にもウォールナットの家具はあり、その品質ももちろん高いです。

違いは、ウォールナットへのこだわり方です。マスターウォールは北米産のブラックウォールナットの中から、節や白太(木の外側の白っぽい部分)がほとんど入らない上位の材を、独自の「マスターグレード」として選んでいます。業界の格付けよりさらに厳しい自社基準で材料を選んでいるので、深い色がそろった、ウォールナットらしい面の美しさが出ます。

画像提供:MASTERWAL

一方、オークの家具なら飛騨産業です。明るく木目のはっきりしたオークは、飛騨産業の家具の持ち味がいちばん出る樹種で、塗装色のバリエーションも豊富です。ここ数年のウッドショックで品質の高い原材料の確保が難しくなっている中で、得意な樹種を、長期で、大量に確保できるのもメーカーの大きな力になっています。

樹種おすすめ理由
ウォールナットマスターウォール独自基準の材料選びと、スタイリッシュなデザイン
オーク(ナラ)飛騨産業ブランドの持ち味がいちばん出る樹種。色も選べる
ビーチ(ブナ)飛騨産業値段も低めの樹種。木目や優しく、明るい色味は他にはない。

違い④ 椅子と座り心地|飛騨産業の技術力

椅子を選ぶなら、まず座ってほしいのが飛騨産業です。椅子から始まったメーカーだけあって、座り心地を形にする技術はさすがです。代表的なチェアを紹介します。

SEOTO-EX(セオトEX):唯一無二の座り心地

腰への負担を減らす椅子の研究から生まれたシリーズで、デザイナーは川上元美さん。座面の後ろが立体的に立ち上がっていて、骨盤を支えるように座れます。テレビ番組で「立ち上がりたくない椅子」と紹介されたこともある、飛騨産業を代表するチェアです。この座り心地は、ほかのメーカーにはない唯一無二のものだと感じています。

CRESCENT(クレセント):長く愛されるロングセラー

天然木の温かみを生かしたロングセラー。お尻にフィットするように削られた座面と、肘や背もたれの当たりのやさしさが、完成された座り心地をつくっています。

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SEOTO(セオト):背から脚まで一体の美しいフォルム

背板から肘、後ろ脚までがひと続きにつながったフォルムが美しいシリーズで、グッドデザイン賞も受賞しています。見た目の軽やかさと座り心地を両立したチェアです。

板座の椅子が多いのも飛騨産業の特徴

飛騨産業の椅子は、クッションを張らない木の座面(板座)のものが多いのも特徴です。板座の椅子は、座面の削り方ひとつで座り心地が大きく変わります。お尻の形に合わせて座面をなめらかに削り出し、木なのに長く座っても疲れにくい座面をつくる。ここにも、椅子から始まったメーカーの技術が生きています。

飛騨産業:CRESCENTの座面

SEOTO、CRESCENT、TUGUMI、YURURI、穂高、kinoe、森のことば、Prescelto、tsuburaなどほとんどシリーズが板座も展開しています。

マスターウォールの椅子

マスターウォールにも、細身のフレームに革の背もたれを合わせたYU(ユー)シリーズなど、デザイン性の高いチェアがあります。軽くて扱いやすく、ウォールナットのテーブルと同じ材でそろえられるのが魅力です。

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チェア定価(税込)座面高
飛騨産業 SEOTO-EX セミアーム(張り座)105,600円〜(オーク)/118,800円〜(ウォールナット)42cm
飛騨産業 CRESCENT アームチェア(板座)99,000円(オーク)39.5cm
マスターウォール YU UC4約11万円〜-
マスターウォール YU UC3約13万円〜-

※2026年11月時点の目安。張地や樹種で価格が変わります。

違い⑤ 価格|ダイニング・ソファ・ベッドで比較

同じような条件で、主なアイテムの定価を比べました(2026年10月時点の当店調べ、税込)。

アイテムマスターウォール飛騨産業
ダイニングテーブル(180×90・ウォールナット)ワイルドウッド 313,500円侭 337,700円
ソファ(3人掛け・張地ランク3相当)デニッシュ 418,000円森のことば 427,900円
ベッド(ダブル)PAL-A 231,000円月光 245,000円~ (オーク)

意外に思われるかもしれませんが、ウォールナットで比べると、ダイニングテーブルやベッドはマスターウォールのほうが手ごろな価格帯です。ソファはほぼ同じ価格帯。全体として、ブランド力も価格帯も同じくらいのブランドだといえます。

画像提供:MASTERWAL

ただし、飛騨産業は多くのシリーズでビーチ、オーク、ウォールナットの3つの樹種を選べ、ビーチを選べば価格はぐっと手ごろになります。上の表はウォールナットどうしの比較なので、予算を抑えたい場合は、飛騨産業のビーチやオークも候補に入れてみてください。

ベッドは、どちらにも人気のシリーズがあります。飛騨産業は月光が人気で、グッドデザイン賞も受賞しています。マスターウォールはベッドの種類が多く、デザインから選べる幅が広いのが特徴です。

違い⑥ 保証とアフターサービス

保証期間は、はっきり差があります。飛騨産業は木部に10年の品質保証があり、製作上の不具合による破損は無償で修理されます。保証期間を過ぎても、本社の修理工房で直してもらえる体制が整っています。マスターウォールの保証は3年で、こちらも工場での修理に対応しています。

長く使う家具だからこそ、保証の長さを重視する方には飛騨産業が安心です。ただ、どちらも品質は高く、保証期間の長さが品質の差とも言えないとは思います。

迷ったら「組み合わせる」のもおすすめ

当店でよくご提案するのが、2つのブランドのいいところを組み合わせる方法です。たとえば、マスターウォールのウォールナットのテーブルに、座り心地のいい飛騨産業の椅子を合わせる。テーブルと椅子のメーカーをそろえる必要はありません。木の色味や座面の高さが合っていれば、まとまりのあるダイニングになります。

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よくある質問

Q. マスターウォールと飛騨産業、品質はどちらが上ですか?

A. どちらも国産の無垢材家具として品質は高く、優劣はつけにくいです。違いは得意分野です。ウォールナットとスタイリッシュなデザインならマスターウォール、オークと椅子の座り心地なら飛騨産業が向いています。見た目や座り心地など感性に加えて、家づくりにおいて、どんな空間にしたいかという方向性に合わせて決めるのがおすすめです。

Q. 飛騨産業のウォールナットと、マスターウォールのウォールナットは違いますか?

A. 飛騨産業のウォールナットは北米産の家具用の最高ランクのものを使用しています。マスターウォールは最高ランクのものから、さらに節や白太がほとんど入らない材を独自の基準で選んでいるため、色のそろったウォールナットの面の美しさに、より強いこだわりがあります。

Q. テーブルと椅子を別のブランドにしても大丈夫ですか?

A. 問題ありません。テーブルの高さと椅子の座面高の差(一般的に27〜30cm前後)が合っていれば、座りやすさに問題はありません。色味の組み合わせも含めてご相談いただけます。

まとめ|違いはテイストとスタンス。両方を見て選ぶのがいちばん

マスターウォールと飛騨産業は、どちらも品質の高い国産ブランドです。大きな違いは、テイストとものづくりのスタンスにあります。

  • マスターウォール:ウォールナットを極めた、スタイリッシュなモダン。木と異素材の組み合わせがうまい
  • 飛騨産業:椅子から始まった技術力と、森や木への意識が出たナチュラルなデザイン。保証は10年
  • 迷ったら、マスターウォールのテーブルに飛騨産業の椅子を合わせる組み合わせも

写真やスペックだけでは、座り心地や木の質感の違いはわかりにくいものです。家具キノクニヤでは、2つのブランドを同じ店内で比べていただけます。遠方の方も、部屋の雰囲気や床の色を伺いながら、LINEでご相談に応じています。

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